妊娠を考え始めたら、妊娠の 1 か月以上前から妊娠 12 週ごろまで、食事に加えてサプリメントなどから 1 日 400µg(0.4mg)の葉酸をとります。赤ちゃんの脳や脊髄の病気(神経管閉鎖障害)のリスクを減らすためです。サプリメントなどからとる葉酸は、1 日 900〜1,000µg を超えないようにします。

葉酸をとる時期と量 葉酸は、妊娠の前から始めます 妊娠を考え始めたら 妊娠 妊娠 12 週 食事に加えて、サプリメントなどから 1 日 400µg 妊娠の 1 か月以上前から、妊娠 12 週ごろまで 神経管がつくられる 妊娠のごく早い時期 妊娠に気づく前のことが多い サプリメントなどからの葉酸は、1 日 900〜1,000µg を超えないように 18〜29 歳は 900µg、30〜64 歳は 1,000µg まで。ふつうの食事からの葉酸には上限はありません
葉酸は、神経管がつくられる妊娠のごく早い時期に足りていることが大切です。この時期は、妊娠に気づく前のことが多いです。妊娠を考え始めたら飲み始めて、妊娠 12 週ごろまで続けます。 出どころ: 葉酸摂取による神経管閉鎖障害のリスクの低減への取り組み(声明文)(2022)、日本人の食事摂取基準(2025 年版)策定検討会報告書 ビタミン(水溶性ビタミン)(2024) 画像として保存

葉酸は、なぜ大切なのでしょうか?

葉酸は、ビタミン B 群の一つです。赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる「神経管」は、妊娠のごく早い時期につくられます。このとき神経管がうまく閉じないと、二分脊椎などの神経管閉鎖障害が起こります。

日本小児神経外科学会は、適切に葉酸をとることで、神経管閉鎖障害のおよそ半数を防げるとしています。日本では、神経管閉鎖障害は 1 万人の出生あたり 6 人ほどで、減ってはいません。妊娠前から葉酸のサプリメントをとっていた人は、2 割ほどにとどまるという調査もあります。

いつから、いつまでとればよいのでしょうか?

妊娠の 1 か月以上前から始めて、妊娠 12 週ごろまで続けます。

妊娠に気づくのは、神経管がつくられる大切な時期よりあとになることが多いです。妊娠がわかってから始めるのでは間に合わないことがあるので、妊娠を考え始めたときに飲み始めておくと安心です。まだとっていなければ、気づいたときから始めて、妊娠 12 週ごろまで続けます。

1 日に、どのくらいとればよいのでしょうか?

ふだんの食事に加えて、サプリメントなどから 1 日 400µg(0.4mg)の葉酸をとります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」も、妊娠を計画している人にこの量をすすめています。

多くとれば効果が高まるというものではありません。サプリメントなどからとる葉酸は、18〜29 歳は 1 日 900µg、30〜64 歳は 1 日 1,000µg を超えないようにします。とりすぎると、神経の症状が悪くなったりするおそれがあります。いくつかのサプリメントを一緒に飲むときは、合わせた量を確かめておくと安心です。

食事だけでは、足りないのでしょうか?

葉酸は、ほうれん草・ブロッコリー・なばな・アスパラガス・えだまめ・いちごなどに多く含まれます。ただ、食品に含まれる葉酸は、体に吸収されにくい性質があります。日本人を対象にした試験では、サプリメントの葉酸にくらべて半分ほどしか利用されませんでした。そのため、食事に加えてサプリメントなどからとることがすすめられています。

葉酸をとっても、神経管閉鎖障害を必ず防げるということではありません。リスクを減らすための準備の一つと考えておくとよいと思います。

持病や薬があるときは、どうすればよいのでしょうか?

次のような人は、量や飲み方が変わることがあります。妊娠を考え始めたら、早めに主治医や産婦人科で相談してください。

  • 前の妊娠で神経管閉鎖障害があった人:医師の管理のもとで葉酸をとる
  • てんかんの薬を飲んでいる人:特にバルプロ酸やカルバマゼピンでは、1 日 400〜600µg ほどの補充が望ましいとされている。薬を自分でやめたり減らしたりしない
  • 糖尿病がある人:1 日 400µg の葉酸のサプリメントがすすめられている。血糖を整えることとあわせて相談する