妊娠は、排卵・受精・受精卵の移動・着床の順に進みます。排卵から着床まではおよそ 1 週間です。妊娠しやすいのは、排卵日とその前の 5 日ほどです。妊娠を目指したカップルのおよそ 8 割は、半年以内に妊娠したと報告されています。
妊娠は、どのような流れで成立するのでしょうか?
妊娠までの流れは、大きく 4 つの段階に分けられます。
- 卵巣で育った卵子が、卵巣の外へ出ます(排卵)。
- 卵子と精子が卵管の中で出会い、一つになります(受精)。
- 受精卵は分裂をくり返しながら、卵管を通って子宮へ向かいます(移動)。
- 子宮の内膜にもぐり込み、根を下ろします(着床)。ここからが妊娠の始まりです。
どの段階も、体の中で静かに進んでいくので、自分では気づかないことがほとんどです。
排卵のとき、体の中では何が起きているのでしょうか?
卵巣の中には、生まれたときから、卵子のもとになる小さな卵胞がたくさん眠っています。いちばん大きく育った卵胞 1 つが、ホルモン(LH)が急に増えるのをきっかけにはじけ、卵子が外へ出ます。これが排卵です。
排卵から次の月経が始まるまでの時期(黄体期)は、およそ 14 日と考えられています。そのため、月経周期の日数から 14 を引くと、排卵日のめやすがわかります。周期の長さや排卵の日には個人差があり、同じ人でも月によってずれるので、あくまでめやすと考えておくとよいと思います。
出てきた卵子は、卵管の奥の「卵管膨大部」まで運ばれて、精子を待ちます。卵子が受精できるのは、排卵からおよそ 24 時間といわれています。
受精してから着床するまでに、何が起きるのでしょうか?
一度に出る精子は数千万個ですが、卵管膨大部までたどり着けるのはごくわずかです。そのうち 1 つだけが卵子の中に入り、受精が成り立ちます。
受精卵は、100 個ほどの細胞からなる「胚盤胞」という形になり、排卵からおよそ 6 日で子宮の中に届きます。そして 7 日目前後に子宮の内膜にもぐり込みます。これが着床で、妊娠の始まりです。
妊娠しやすいのは、いつなのでしょうか?
妊娠しやすいのは、排卵日と、その前の 5 日ほどを合わせた 6 日間です。排卵の少し前に精子が卵管で待っている状態が、妊娠につながりやすいと考えられています。
妊娠を望んでいるなら、この時期に1日おきに性交をもつと、妊娠しやすいとされています。毎日でも妊娠しにくくなることはないので、回数を控える必要はありません。
排卵日を気にするあまり、性交が「義務」のように感じられてしまうことがあります。それは二人にとって負担になりやすいものです。妊娠しやすい期間は数日あり、ぴったりの 1 日を狙わなくてもかまいません。二人のペースで続けられる形を、話し合っておくとよいと思います。
すぐに妊娠しないのは、よくあることなのでしょうか?
妊娠を望んで避妊をやめても、最初の月に妊娠するとはかぎりません。1 回の周期で妊娠する確率は、それほど高いものではないからです。そう聞くと、少しあせってしまうかもしれませんね。それでも、1 回ごとの確率は低くても、続けるうちに妊娠する人は増えていきます。
日本産科婦人科学会は、妊娠を望んで避妊をせずに 1 年たっても妊娠しない場合を「不妊症」としています。次のようなときは、産婦人科に相談してください。
- 避妊をせずに 1 年たっても妊娠しない
- 女性が 35 歳以上で、半年ほどたっても妊娠しない
- 月経の周期が大きく乱れている、月経痛が強いなど気になる症状がある(期間を待たずに)
受診先を探すときは、日本産科婦人科学会の施設検索で、体外受精などを行う登録施設を都道府県ごとに探せます。