言葉の説明

記事に出てくる言葉の説明を集めました。どの記事でも同じ意味で使っています。記事の中で点線の下線が引かれた言葉をタップすると、ここと同じ説明が出ます。

AMH
抗ミュラー管ホルモンです。育ちはじめの小さな卵胞から出るホルモンで、卵巣に残っている卵子の数のめやすになる血液検査の項目です。
BMI
体重(kg)を身長(m)の 2 乗で割った、体格のめやすです。 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) と計算します。18.5 未満がやせ、25.0 以上が肥満とされ、妊娠を考えるときは 18.5 以上 25.0 未満がめやすです。
HPV(ヒトパピローマウイルス)
性交でうつるウイルスで、海外の報告では、性交の経験がある女性の 50〜80% が一生に一度は感染するとされます。多くは自然に排除されますが、感染が続くと、子宮頸がんの原因になることがあります。
LH サージ
排卵の少し前に、脳からの排卵を促すホルモン(LH)が一気にたくさん出ることです。これがきっかけになって排卵が起こります。排卵検査薬は、尿の中のこのホルモンを調べます。
PGT-A
体外受精で育った胚盤胞から細胞を一部とって、染色体の数に違いがないかを調べる検査です。日本では、日本産科婦人科学会が決めた対象の人が、認定された施設で受けられます。
タイミング法
超音波で卵胞の大きさを測って排卵の日を予測し、その日に合わせて性交渉をとる治療です。受精は、ふだんと同じように体の中で起こります。
ナチュラルチーズ
牛乳などを固めて作ったまま、加熱して作り直していないチーズです。カマンベール、ブリー、モッツァレラ、ブルーチーズなどがあります。スライスチーズや 6P チーズに多いプロセスチーズは、加熱して作り直したものです。加熱していないナチュラルチーズはリステリアという菌のもとになることがあるので、妊娠中は食品表示の「加熱済み」を確かめると安心です。
プレコンセプションケア
性別を問わず、適切な時期に性や健康の正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた人生の計画や将来の健康を考えて健康管理をすることです。妊娠する前からの体づくりも含みます。
モザイク胚
染色体の数がそろった細胞と、そろっていない細胞が混ざっている胚です。着床や出産の割合は下がるとされていますが、健康な赤ちゃんが生まれる報告もあります。
遺伝カウンセリング
遺伝や染色体の検査について、わかることとわからないこと、結果が出たあとの選択肢を、専門の医師などから説明を受けて一緒に考える場です。PGT-A では、検査の前と移植する胚を決める前に受けます。
医療費控除
1 年間に払った医療費が一定の額を超えたとき、確定申告をすると所得税が軽くなるしくみです。不妊症の治療費や人工授精の費用も対象になります。
黄体期
排卵から次の月経が始まるまでの時期です。卵胞は黄体に変わり、子宮の内膜を着床しやすい状態に整えるホルモンを出します。長さは一般に 14 日前後とされていますが、人や周期によって幅があります。
基礎体温
朝、目が覚めてすぐ、横になったまま測る体温です。排卵のあとは、黄体から出るホルモンの働きで少し高くなります。
希発月経
月経周期が 39 日以上と長い状態です。
緊急避妊薬
避妊に失敗したかもしれない性交のあと、72 時間以内に飲んで、妊娠する可能性を下げる薬です。できるだけ早く飲むことがすすめられ、2026 年 2 月からは販売できる薬局で、薬剤師からも購入することができるようになりました。性感染症は防げません。
月経周期
月経が始まった日を 1 日目として、次の月経が始まる前の日までの日数です。
顕微授精
体外受精のうち、精子を 1 つ選んで、細い針で卵子の中に入れて受精させる方法です。精子がとても少ない場合や自然に受精しない場合などに行います。
原因不明不妊
検査をしても、はっきりした原因が見つからない不妊です。原因がないということではなく、今の検査ではわからないことを意味します。
高プロラクチン血症
母乳をつくるホルモン(プロラクチン)が、妊娠や授乳をしていないのに多くなる状態です。排卵が起こりにくくなります。
高額療養費制度
1 か月の医療費の自己負担に、上限額を設けるしくみです。上限額は年齢や所得によって違い、2026 年 8 月からは 1 年間の上限も設けられています。
骨盤内炎症性疾患
子宮の入り口から入った細菌が、子宮や卵管、おなかの中へと広がって起こす炎症です。卵管が傷ついたりふさがったりすると、不妊や子宮外妊娠の原因になります。
採卵
体外受精や卵子凍結のために、腟から超音波で卵巣を見ながら、細い針で卵胞の中の卵子を吸いとることです。卵子の数などに応じて局所麻酔や静脈麻酔などを併用して行います。
子宮筋腫
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、がんではありません。30 歳以上の女性の 3 割前後にみられるとされます。女性ホルモンの影響で大きくなり、閉経すると小さくなります。
子宮内避妊システム
子宮の中に入れる小さな器具で、少しずつ出るホルモンの働きで妊娠を防ぎます。医療機関で入れてもらい、一度入れると最長 5 年ほど続きます。
子宮内膜症
子宮の内膜に似た組織が、子宮の外(卵巣やおなかの中など)にできる病気です。20〜30 代から起こることが多く、強い月経痛の原因になり、不妊に関わることもあります。
子宮卵管造影検査
子宮に造影剤を入れてレントゲンで見る検査です。子宮の形や、卵管が通っているかを調べます。
神経管閉鎖障害
赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管が、妊娠のごく早い時期にうまく閉じないことで起こる病気です。妊娠前から葉酸をとることで、リスクを減らすことが期待できます。
人工授精
精液を洗って集めた動きのよい精子を、排卵のころに細い管で子宮の中へ入れる治療です。受精は体の中で起こります。
性器クラミジア感染症
性行為でうつる感染症の一つです。女性は症状が軽いか、ほとんどないことが多く、治療しないままでいると卵管がふさがり、不妊の原因になることがあります。パートナーと一緒に検査と治療を受けましょう。
精液検査
精液の量や、精子の数・動き・形を調べる検査です。男性の不妊を調べるときの、いちばん基本の検査です。
精索静脈瘤
精巣の上を通る静脈がこぶのようにふくらむ状態です。精子をつくる働きが下がる原因の一つで、手術で精液の状態がよくなることがあります。
精巣内精子採取術(TESE)
無精子症や射精の問題などのとき、手術で精巣から精子を探してとり出す方法です。とり出した精子は顕微授精に使います。2022 年 4 月から保険で受けられます。
先進医療
保険の対象になっていない新しい医療のうち、国が認めたものです。保険の治療と組み合わせて受けられます。先進医療の費用は全額が自己負担で、通常の治療と共通する部分は保険で受けられます。
先天性風しん症候群
妊娠の早い時期に風しんにかかったとき、赤ちゃんに難聴や白内障、心臓の病気などが起こることです。妊娠前に風疹への抵抗力のめやすとなる抗体があるかを確かめ、必要ならワクチンを受けておくことが、防ぐことにつながります。
染色体
体の設計図にあたる遺伝子をのせた、細胞の中の小さな構造です。人の細胞には 46 本あり、卵子と精子は半分の 23 本ずつを持っています。
早発卵巣不全
40 歳より前に卵巣の働きが大きく下がり、月経が止まったり不規則になったりする状態です。診断は月経の様子と FSH などのホルモン検査で行います。
続発性無月経
これまであった月経が、3 か月(90 日)以上止まっている状態です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
排卵が起こりにくく、月経不順になりやすい状態です。卵巣に小さな卵胞がたくさん見えることや、男性ホルモンなどが多めになることが特徴です。
体外受精
卵巣から卵子をとり出し、体の外で精子と出会わせて受精させる治療です。育った胚を子宮に戻します。
着床
胚盤胞が子宮の内膜にもぐり込み、根を下ろすことです。ここから妊娠が始まります。
調節卵巣刺激
体外受精で複数の卵子を育てるために、注射や飲み薬で卵巣にはたらきかけることです。薬の量を決めるときに AMH を参考にします。
低用量ピル
女性ホルモンを含む飲み薬で、毎日 1 錠ずつ飲んで排卵をおさえ、妊娠を防ぎます。月経痛を抑える作用もあります。医療機関で処方してもらいます。
妊娠しやすい期間
1 回の月経周期のなかで、性交によって妊娠する可能性がある日です。排卵日と、その前の 5 日ほどを合わせた 6 日間とされています。
妊孕性温存
がんなどの治療で妊娠する力(妊孕性)が下がるおそれがあるときに、治療の前に卵子・受精卵(胚)・卵巣の組織・精子を凍結したり、卵巣の位置を移したりして、妊娠する力を残すことです。治療が最優先で、将来の妊娠を約束するものではありません。
排卵
育った卵胞から卵子が卵巣の外へ出ることです。脳から出るホルモン(LH)が急に増えることがきっかけになります。
排卵障害
卵胞がうまく育たなかったり、排卵が起こらなかったりする状態です。妊娠しにくくなる原因の一つです。
梅毒
梅毒トレポネーマという細菌が性交でうつる感染症です。感染から 1 か月ほどで痛みの少ないしこりができ、数か月後に発疹が出ますが、どちらも自然に消えるので気づきにくい病気です。血液の検査で調べ、抗菌薬で治療します。妊娠中に感染していると、赤ちゃんにうつることがあります。
頻発月経
月経周期が 24 日以下と短い状態です。
不妊症
妊娠を望んで避妊をせずに性交をしていても、1 年たっても妊娠しない状態です。日本産科婦人科学会はこの期間を 1 年としています。
腹腔鏡検査
おなかに小さな穴をあけてカメラを入れ、子宮や卵巣、卵管のようすを直接見る検査です。全身麻酔で行います。卵管のまわりの癒着や子宮内膜症が見つかると、その場で治療できることもあります。
胞状卵胞数
超音波検査で数える、月経のはじめごろに卵巣に見える小さな卵胞の数です。AMH と並んで、卵巣予備能のめやすに使います。
無精子症
精液の中に精子がいない状態です。精子の通り道がふさがっている場合と、精子をつくる力が弱い場合があり、精巣の中では精子がつくられていることもあります。
卵管鏡下卵管形成術
腟から細いチューブを入れて、つまった卵管を内側から広げる手術です。卵管の通りをよくして、自然に妊娠する可能性を高めることを目指します。
卵管膨大部
卵管の中で、卵巣に近い太くなった部分です。卵子と精子が出会い、受精が起こる場所です。
卵子凍結
将来の妊娠に備えて、卵子をとり出して凍結保存しておくことです。病気の治療の前に行う場合と、医学的な理由なく社会的な理由で行う場合があります。将来の妊娠・出産を約束するものではありません。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
排卵を助ける薬で卵胞がたくさん育ち、卵巣が腫れたり、おなかに水がたまったり脱水状態なったりする状態です。体外受精のために注射の薬で卵巣にはたらきかけた場合、およそ 5% に起こるとされています。
卵巣予備能
卵巣にどのくらい卵子が残っているかの程度です。AMH や胞状卵胞数で見積もります。
卵胞
卵巣の中で卵子を包んでいる小さな袋です。月経周期ごとに育ち、いちばん大きく育ったものから卵子が出ていきます。
卵胞期
月経が始まってから排卵までの時期です。卵巣の中で卵胞が育ち、子宮の内膜が厚くなっていきます。周期の長さの違いは、主にこの時期の長さの違いです。
流産
赤ちゃんがおなかの外で育つことができる時期より前に、妊娠が終わってしまうことです。
淋菌感染症
淋菌という細菌が性交でうつる感染症です。男性は排尿のときの強い痛みと尿道からのうみが出やすいのに対して、女性は症状が軽く、気づかないことが多いです。治療しないままでいると、卵管に炎症が広がり、不妊の原因になることがあります。注射の抗菌薬で治療します。
胚移植
体外受精で育った胚を、細い管で子宮の中に戻すことです。胚を育てた周期に凍結しないで戻す方法と、凍結しておいて別の周期に戻す方法があります。
胚盤胞
受精卵が分裂を続けて、100 個ほどの細胞になった段階です。この形になってから、子宮の内膜にもぐり込みます。