クラミジアと淋菌は、女性では症状がほとんど出ないことが多く、気づかないまま卵管に炎症が広がると、不妊や子宮外妊娠の原因になることがあります。梅毒は、感染から 1 か月ほどで痛みの少ないしこりができ、数か月後に発疹が出ますが、どちらも自然に消えてしまうので気づきにくい病気です。どれも検査で見つけられ、抗菌薬で治療できます。心配なことがあれば、症状がなくても検査を受けておくと安心です。
クラミジアと淋菌には、どのような症状があるのでしょうか?
クラミジアは、感染してから 1〜3 週間ほどで症状が出るとされています。ただ、女性の半数以上は、まったく自覚症状がないともいわれています。淋菌も、女性では気づかないまま過ぎることが多いとされています。
女性で症状が出るときは、おりものが増える・不正出血・下腹部の痛み・性交のときの痛みなどです。どちらも治療しないままでいると、炎症が卵管へ広がって骨盤内炎症性疾患を起こすことがあります。不妊や子宮外妊娠の原因になることがあります。
梅毒には、どのような症状があるのでしょうか?
梅毒はここ数年で大きく増え、2024 年は 14,829 例で、そのうち女性は 5,324 例でした。「自分には関係ない」と思っていた人ほど、どきっとするかもしれません。
感染から 1 か月前後で、菌が入ったところにしこりやただれができます。痛みがないことが多く、治療しなくても消えます。感染から 1〜3 か月ほどで手のひらや足の裏などに発疹が出ることがあり、これも数週間で消えますが、治ったわけではありません。梅毒は、一度治っても、また感染することがあります。
検査は、いつ、どこで受けられるのでしょうか?
クラミジアと淋菌は、子宮の入り口の分泌物や尿で、菌の遺伝子を調べる検査で見つけます。梅毒は血液の検査で調べます。感染してすぐは陰性に出ることがあるので、日本性感染症学会は、感染の心配がある機会からおおむね 4 週たってからもう一度調べることをすすめています。
保健所では、HIV の検査を無料・匿名で受けられ、梅毒・クラミジア・淋菌も調べられるところがあります。厚生労働省の性感染症検査・相談マップで探せます。
次のようなときは、検査の時期を待たずに婦人科・泌尿器科・皮膚科などを受診してください。
- おりものの変化や、下腹部・性交のときの痛みがある
- 性器や口のまわりに、しこりやただれができた
- 手のひらや足の裏などに発疹が出た
症状がなくても、ほかの人にうつしてしまうことがあるので、心配なときは検査を受けておくと安心です。
治療は、どのように進むのでしょうか?
クラミジアは飲み薬で治療し、医師が指示した時期にもう一度検査をして、治ったかを確かめます。淋菌は、飲み薬が効きにくい菌が増えているため、注射の抗菌薬で治療するのが一般的です。梅毒は、飲み薬を長期間飲むか、筋肉への注射で治療します。
治療が終わるまでは性交を控えます。パートナーにも受診してもらい、一緒に治療することが大切です。
妊娠やパートナーとのことで、知っておくとよいことはありますか?
妊婦健診では、妊娠初期に梅毒と HIV の検査を、妊娠初期から 30 週までにクラミジアの検査を受けます。妊娠中の梅毒は赤ちゃんにうつり、神経や骨などに異常が起こることがあります(先天梅毒)。妊娠中の性交で感染することがあるので、心配なら主治医に相談してください。
性感染症を防ぐのにいちばん大切なのは、コンドームを最初から最後まで正しく使うことです。ピルでは性感染症を防げません。くわしくは「避妊に失敗したかもしれないとき、まず何をすればよいですか?」でも説明しています。