月経周期が 25〜38 日から外れる状態を、月経不順といいます。月経不順のときは、排卵がうまく起きていないことがあり、妊娠しにくくなる原因の一つになります。原因には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や体重の変化、ホルモンの病気などがあり、原因に合わせた治療があります。3 か月以上月経が来ないときは、妊娠を考えていなくても、産婦人科に相談してください。
月経不順とは、どのような状態のことをいうのでしょうか?
月経周期は、25〜38 日なら正常とされています。初めての月経から数年のあいだは、周期が安定しないことも少なくありません。
月経不順は、妊娠のしやすさにどう関係するのでしょうか?
妊娠するには、毎月の排卵が欠かせません。月経不順は、排卵がうまく起きていないサインのことがあります。ただ、周期が長くても、多くの周期では排卵が起きています。
「月経不順」と言われると、妊娠できないのではと心配になりますよね。月経不順は、妊娠できないということではありません。
月経不順には、どのような原因があるのでしょうか?
主な原因は、次のとおりです。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):排卵が起こりにくく、月経不順になりやすい状態です。
- やせ・運動のしすぎ・ストレス:体のエネルギーが足りなくなると、脳が卵巣への指令をお休みして、月経が止まることがあります。
- 太りすぎ:体重が多すぎることも、ホルモンのバランスを乱し、排卵を起こりにくくします。
- 高プロラクチン血症:母乳をつくるホルモンが多くなり、排卵が起こりにくくなります。
- 甲状腺の病気:甲状腺ホルモンの過不足も、月経の乱れにつながります。
- 早発卵巣不全:40 歳より前に卵巣の働きが大きく下がり、月経が止まる状態です。
産婦人科では、まず妊娠していないかを確かめ、これまでの月経の様子や体重の変化、飲んでいる薬などをくわしく聞きます。
妊娠を望むときは、どのような治療があるのでしょうか?
体重が大きく減ったことが原因なら、まず体重を戻すことが治療の中心になります。体重が戻ると、月経が戻ることが多いとされています。体重が多いことが原因のPCOSの場合は、減量すると、排卵を助ける治療がうまくいきやすくなるとされています。
PCOS などで排卵が起こりにくいときは、排卵を助ける飲み薬(レトロゾールやクロミフェン)を使います。これらの薬には、双子など多胎妊娠が増えることがあるので、医師と相談しながら使います。
高プロラクチン血症なら、プロラクチンを下げる薬で、およそ 8 割の人に排卵が戻るとされています。早発卵巣不全では、妊娠を望むなら、早めに生殖医療の専門の医療機関に相談することがすすめられています。
受診を考えるめやすは、どのくらいでしょうか?
次のようなときは、産婦人科に相談してください。
- 3 か月以上、月経が来ない
- 月経周期が 24 日以下、または 39 日以上のことが多い
- 妊娠を望んでいて、月経不順がある
- 急に体重が減ってから、月経が乱れた・止まった
日本生殖医学会は、妊娠を望んでいて月経不順や無月経があるなら、年齢にかかわらず早めに相談することをすすめています。妊娠を望んで検査を受けるときは、パートナーの精液検査も、不妊の検査の基本の一つです。
妊娠をまだ考えていなくても、長く月経が来ないときは受診しておくと安心です。PCOS では、排卵が起きないまま子宮の内膜が厚くなりつづけ、子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクが上がることがあります。PCOS の国際ガイドラインは、リスクは上がるものの、実際にがんになる人は少ないとしています。やせなどで女性ホルモンが少ない状態が長く続くと、骨が弱くなりやすくなります。