月経周期が 25〜38 日から外れる状態を、月経不順といいます。月経不順のときは、排卵がうまく起きていないことがあり、妊娠しにくくなる原因の一つになります。原因には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や体重の変化、ホルモンの病気などがあり、原因に合わせた治療があります。3 か月以上月経が来ないときは、妊娠を考えていなくても、産婦人科に相談してください。
月経不順とは、どのような状態のことをいうのでしょうか?
月経周期は、25〜38 日なら正常とされています。初めての月経から数年のあいだは、周期が安定しないことも少なくありません[1]。
月経不順は、妊娠のしやすさにどう関係するのでしょうか?
妊娠するには、毎月の排卵が欠かせません。月経不順は、排卵がうまく起きていないサインのことがあります。ただ、周期が長くても、多くの周期では排卵が起きています[1]。
「月経不順」と言われると、妊娠できないのではと心配になりますよね。月経不順は、妊娠できないということではありません。
月経不順には、どのような原因があるのでしょうか?
主な原因は、次のとおりです。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):排卵が起こりにくく、月経不順になりやすい状態です。
- やせ・運動のしすぎ・ストレス:体のエネルギーが足りなくなると、脳が卵巣への指令をお休みして[7]、月経が止まることがあります。
- 太りすぎ:体重が多すぎることも、ホルモンのバランスを乱し[2]、排卵を起こりにくくします。
- 高プロラクチン血症:母乳をつくるホルモンが多くなり、排卵が起こりにくくなります。
- 甲状腺の病気:甲状腺ホルモンの過不足[1]も、月経の乱れにつながります。
- 早発卵巣不全:40 歳より前に卵巣の働きが大きく下がり、月経が止まる状態です。
産婦人科では、まず妊娠していないかを確かめ、これまでの月経の様子や体重の変化、飲んでいる薬などをくわしく聞きます[1]。
妊娠を望むときは、どのような治療があるのでしょうか?
体重が大きく減ったことが原因なら、まず体重を戻すことが治療の中心[1]になります。体重が戻ると、月経が戻ることが多い[7]とされています。体重が多いことが原因のPCOSの場合は、減量すると、排卵を助ける治療がうまくいきやすくなる[1]とされています。
PCOS などで排卵が起こりにくいときは、排卵を助ける飲み薬(レトロゾールやクロミフェン[2])を使います。これらの薬には、双子など多胎妊娠が増えることがある[2]ので、医師と相談しながら使います。
高プロラクチン血症なら、プロラクチンを下げる薬で、およそ 8 割の人に排卵が戻る[2]とされています。早発卵巣不全では、妊娠を望むなら、早めに生殖医療の専門の医療機関に相談[1]することがすすめられています。
受診を考えるめやすは、どのくらいでしょうか?
次のようなときは、産婦人科に相談してください。
- 3 か月以上、月経が来ない
- 月経周期が 24 日以下、または 39 日以上のことが多い
- 妊娠を望んでいて、月経不順がある
- 急に体重が減ってから、月経が乱れた・止まった
日本生殖医学会は、妊娠を望んでいて月経不順や無月経があるなら、年齢にかかわらず早めに相談[2]することをすすめています。妊娠を望んで検査を受けるときは、パートナーの精液検査も[2]、不妊の検査の基本の一つです。
妊娠をまだ考えていなくても、長く月経が来ないときは受診しておくと安心です。PCOS では、排卵が起きないまま子宮の内膜が厚くなりつづけ、子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクが上がることがあります[5]。PCOS の国際ガイドラインは、リスクは上がるものの、実際にがんになる人は少ない[5]としています。やせなどで女性ホルモンが少ない状態が長く続くと、骨が弱くなりやすくなります[7]。