精子は、つくられ始めてから出てくるまでに 2〜3 か月かかります。たばこをやめる、お酒を飲みすぎない、精巣を温めすぎない、太りすぎを直す。これらは、精子の状態をよくする方向にはたらくと考えられています。サプリメントの効果ははっきりせず、男性ホルモンの薬は精子がつくられなくなることがあるので注意が要ります。
精子は、どのくらいの期間でつくられるのでしょうか?
精子は、精巣の中で毎日つくられていますが、1 つの精子ができあがるまでには時間がかかります。そのため、今日の生活を変えても、精液に表れるのは 2〜3 か月ほどあとです。すぐに結果が出なくても、続けることに意味があります。
不妊に悩むカップルのおよそ半分は、男性の側にも原因があるとされています。「自分にできることはあるのかな」と思うのは、とても自然なことです。
たばこやお酒は、精子に影響するのでしょうか?
たばこを吸う男性は、精子の数や動き、形がよくない傾向があることがわかっています。日本生殖医学会は、喫煙が精子の DNA を傷つけることも明らかになっているとして、禁煙をすすめています。加熱式たばこは、長く使ったときの影響がまだわかっておらず、安全とはいえません。
お酒を飲みすぎると、精子がつくられにくくなることがあります。ほどほどの量であれば、精子への悪い影響ははっきりしていません。飲む量と回数を控えめにしておくと安心です。
熱や体重は、精子に影響するのでしょうか?
精子は熱に弱いので、精巣を温めすぎないことが大切です。次のようなことは控えるようすすめられています。
- 長い時間のサウナや、熱いお風呂に長くつかる
- ノートパソコンを膝の上にのせて使う
- ぴったりした下着を毎日はく
- 長い時間の座り仕事や車の運転
太りすぎは、精子の状態を悪くすることがあります。運動と食事で体重を整えることは、精子にとってもよい方向にはたらくと考えられています。
サプリメントや薬は、精子に影響するのでしょうか?
抗酸化物質などのサプリメントで、妊娠しやすくなるかは、はっきりしていません。サプリメントにお金をかけるより、たばこや体重など、精子との関係が知られていることを先に見直すのがよいと思います。
男性ホルモン(テストステロン)の薬や、筋肉を増やすための薬(たんぱく同化ステロイド)は、精子がつくられにくくなる、あるいはつくられなくなることがあります。米国の泌尿器科と生殖医学の学会は、子どもを望む男性にはテストステロンの薬を出さないようにとしています。やめれば戻ることが多いものの、数か月、まれに数年かかることがあります。薄毛(AGA)の治療に使う飲み薬のフィナステリドやデュタステリドも、精子が減ることがあります。使っている薬があれば、自己判断でやめずに、処方した医師に相談してください。
いつ、精液検査を受ければよいのでしょうか?
妊娠を望んで 1 年たっても妊娠しないときは、女性と同じ時期に、男性も検査を受けることがすすめられています。女性が 35 歳以上なら、半年ほどがめやすです。精液の状態は日によってばらつくので、1 回の結果だけで決めず、2 回以上調べて判断します。
生活を見直すことと、検査を受けることは、どちらか一方ではありません。くわしくは「精液検査の結果は、どのように見ればよいですか?」や「男性不妊には、どのような原因と検査・治療がありますか?」でも説明しています。