赤ちゃんの性別は、受精した精子が X と Y のどちらの染色体を持っているかで決まります。排卵日との関係で性交のタイミングを変える方法や、食事、市販のゼリー、サプリメントで性別を選べるという確かな根拠は見つかっていません。日本では、着床前検査(PGT)を性別を選ぶために使うことは認められておらず、性染色体の結果も原則として伝えられません。
赤ちゃんの性別は、どのように決まるのでしょうか?
卵子はすべて X 染色体を 1 本持っています。精子は、X 染色体を持つものと、Y 染色体を持つものが、ほぼ半分ずつあります。X を持つ精子が受精すると女の子に、Y を持つ精子が受精すると男の子になります。
どちらの精子が受精するかは、偶然で決まります。日本で生まれる赤ちゃんは、女の子 100 人に対して男の子がおよそ 105 人です。
「次は女の子がいいな」「上の子と同じ性別だと…」と考えるのは、自然な気持ちだと思います。そのうえで、どこまでが確かな情報なのかを知っておくと、まわりの情報に振り回されにくくなります。
性交のタイミングで、性別は変わるのでしょうか?
「排卵日の直前に性交すると男の子、数日前だと女の子」という説があります。けれど、これを確かめた研究では、性別を選べるほどの違いは見つかっていません。
尿のホルモンで排卵日を確かめながら 221 人の女性を調べた研究では、男の子が生まれた周期と女の子が生まれた周期で、排卵に対する性交のタイミングに違いはありませんでした。研究者は、実際上、タイミングは赤ちゃんの性別に影響しないと結論しています。
また、タイミングを性別のためにずらすと、妊娠しやすい日を外してしまうことがあります。妊娠を望んでいるなら、妊娠しやすい時期に 1〜2 日ごとの性交を続けるほうが近道です。
食事やゼリー、サプリメントで、性別は選べるのでしょうか?
食事で性別が変わるという研究は、ないわけではありません。けれど、たくさんの比べ方を繰り返したための偶然の結果と考えられるものがあります。
腟の中を酸性やアルカリ性にするゼリーや、カルシウムなどのサプリメントで性別が変わるという確かな研究は、見つかっていません。体に入れるものは、使う前に医師に相談しておくと安心です。
着床前検査で、性別を選ぶことはできるのでしょうか?
日本では、着床前検査を性別を選ぶために使うことはできません。日本産科婦人科学会の指針は、着床前検査を使って生まれてくる子の性別を選んではならないとしています。
着床前検査(PGT-A)は、体外受精でできた胚の染色体の数を調べる検査です。調べる過程で性染色体の情報も出ますが、性染色体に異常がない限り、その結果は夫婦にも医療機関にも原則として伝えられません。
性別のことで悩んだときは、どうすればよいのでしょうか?
性別のことが気になっているときは、ひとりで抱えこまなくてかまいません。二人で、どうして性別が気になるのかを話してみると、気持ちが整理されることもあります。
遺伝性の病気があって、子どもの性別によって病気が出るかどうかが変わる場合は、別の話になります。まずは遺伝の専門の医師や産婦人科に相談してください。くわしくは「PGT-A(着床前検査)では、何がわかりますか?」でも説明しています。