低用量ピルは、女性ホルモンを含む飲み薬で、毎日 1 錠飲んで排卵をおさえます。避妊のためのもの(OC)と、月経痛などの治療のためのもの(LEP)があります。血栓症が少し起こりやすくなるので、飲めない人や注意したい症状を知っておくと安心です。

低用量ピルの種類と飲み方 低用量ピルの種類と飲み方 OC(避妊のため) 妊娠を防ぐための薬 毎日 1 錠飲む LEP(治療のため) 月経困難症や子宮内膜症の痛みの治療 保険が使える(避妊には使わない) 飲み方の例(薬によって違います) 21 錠の例 21 日飲んで 7 日休む 28 錠の例 最後の 7 錠はホルモンなし ホルモンを含む錠 ホルモンなしの錠 休む日 飲むのをやめて、すぐ受診する症状(血栓症のサイン) ・激しい腹痛 ・激しい胸の痛み、息苦しさ ・激しい頭痛 ・見え方の異常、話しにくさ ・ふくらはぎの痛みやむくみ ・手足の脱力やまひ
低用量ピルには、避妊のための OC と治療のための LEP があります。血栓症のサインがあれば、飲むのをやめてすぐに受診してください。 出どころ: 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2020、CQ401(p.164〜169)(2020)、低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)(2015)、デソゲストレル・エチニルエストラジオール錠 添付文書(2025 年 10 月改訂 第 4 版)(2025)、ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠 添付文書(2026 年 8 月改訂 第 6 版)(2026) 画像として保存

低用量ピルは、どのように効くのでしょうか?

エストロゲンと黄体ホルモンの 2 つの女性ホルモンを含み、おもに排卵をおさえます。子宮内膜や子宮の入り口の粘液も変わり、妊娠しにくくなります。飲み忘れを含む使い方では、1 年で 100 人に 7 人ほどが妊娠します。性感染症は防げないので、コンドームと一緒に使うと安心です。

避妊のためのピルと、治療のためのピルは違うのでしょうか?

目的が違います。OC は避妊のための薬です。LEP は月経困難症や子宮内膜症の痛みを治療する薬で、保険が使えます。ホルモンの量は同じくらいですが、LEP は避妊のためには使わないことになっています。

飲み方は薬によって違います。21 錠飲んで 7 日休むもの、28 錠を休まず飲むもの、長く続けて飲むものがあります。飲み忘れたときの対応も薬ごとに違うので、薬の説明書と医師の指示に従います。

副作用には、どのようなものがあるのでしょうか?

飲み始めは、体の変化が気になりますよね。吐き気や不正出血、頭痛、乳房の張りが出ることがあります。多くは 3 か月ほど続けると軽くなり、薬を変えると落ち着くこともあります。体重が増えることとの関係は、認められていません。

いちばん注意したいのは、血管の中に血のかたまりができる血栓症です。1 年に 1 万人あたり、使っていない人で 1〜5 人、使っている人で 3〜9 人とされます。飲み始めて 4 か月以内に多くみられます。

飲めない人や、すぐ受診したほうがよい症状はありますか?

おもに次のような人は、低用量ピルを使えません。

  • 35 歳以上で、1 日 15 本以上たばこを吸う
  • 前兆(目の前がちかちか光るなど)のある片頭痛がある
  • 血栓症になったことがある、血栓ができやすい体質がある
  • 重い高血圧や乳がんがある、妊娠している
  • 産後 4 週以内、または授乳中

次の症状があるときは飲むのをやめて、すぐに受診してください。

  • 激しい腹痛、胸の痛み、息苦しさ
  • 激しい頭痛、見え方の異常、話しにくさ
  • 手足の脱力やまひ
  • ふくらはぎの痛みやむくみ

ほかの病気で受診するときも、ピルを飲んでいることを伝えておくと安心です。

授乳中や産後は、飲めるのでしょうか?

エストロゲンを含む低用量ピルは、日本では授乳中は使えません。授乳していなくても、産後 4 週以内は使えません。授乳中に飲めるようになる時期は、資料によって違います。OC/LEPガイドラインでは、授乳中なら産後 6 か月以降に始めるとしています。

授乳中に避妊したいときは、黄体ホルモンだけの方法もあります。黄体ホルモンだけのピルは授乳中も使えないということではありませんが、母乳に移るため、授乳を続けるかを医師と相談します。子宮に入れる子宮内避妊システムは、産後 6 週以上たってから入れます。授乳中は第一の選択にはしないとされているので、医師とよく相談します。産後の健診などで、早めに相談しておくと安心です。