不妊治療中や妊娠中でも、健康診断や人間ドックの多くの検査は受けられます。妊娠の可能性がある時期は、胃のバリウム検査や、眠くなる薬を使う胃カメラに注意が要ります。受ける前に、治療中であることや妊娠の可能性を伝えておくと安心です。
治療中は、いつ受けるとよいのでしょうか?
健診の日と治療の予定が重なると、迷いますよね。考え方は、治療の時期によって違います。
- 月経から排卵(採卵)の前まで:妊娠していない時期です。多くの検査を受けやすい時期です。
- 排卵や採卵のあとから判定まで:妊娠している可能性がある時期です。凍結した胚を移植する周期では、移植のあとからです。
受精の前に卵巣が X 線を受けても、生まれる子どものがんや先天異常が増えるという根拠はありません。採卵のあとに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こると、腫れた卵巣がねじれることがあります。日程に迷うときは、治療を受けている医療機関に相談しておくと安心です。
妊娠の可能性があるときに、気をつけたい検査はどれでしょうか?
次の検査は、妊娠の可能性があるときは見合わせるか、医師と相談して決めます。
- 胃のバリウム検査:胃がん検診の学会は、妊娠中や妊娠の可能性がある人は受けない対象としています。
- 眠くなる薬を使う胃カメラ:妊娠中はできれば延ばすとされています。
- おなかの CT:おなかに X 線を当てるので、必要かどうかを医師が判断します。
胸の X 線やマンモグラフィは、おなかから離れた場所を撮るので、子宮が受ける放射線はごくわずかです。
検査のあとで妊娠がわかったら、どうなるのでしょうか?
知らずに X 線の検査を受けていたら、どきっとしますよね。流産や先天異常などの影響が出るのは、おおむね 100 mGy 以上を受けたときとされています。胸の X 線は 0.01 mGy 未満、胃のバリウム検査も平均で 1 mGy ほど、多くても 6 mGy ほどです。100 mGy 未満の放射線は、妊娠をあきらめる理由にはならないとされています。心配なときは、受けた検査を伝えて主治医に相談してください。
妊娠中に受けられる検査は、どれでしょうか?
超音波、血液の検査、子宮頸がん検診は、妊娠中も受けられます。これらは妊婦健診に入っているので、人間ドックと重なる項目は妊婦健診で受けられます。MRI は造影剤を使わなければ、胎児に害があるという報告はありません。
受ける前に、何を伝えればよいのでしょうか?
人間ドックの学会も、妊娠中や妊娠の可能性がある人には申し出るよう求めています。受付や問診で、次のことを伝えておくと安心です。
- 不妊治療中であることと、いまの時期(採卵や移植のあとかなど)
- 妊娠している、または妊娠の可能性があること
- 使っている薬