日本の研究では、体外受精で生まれた子どもの成長や発達に、体外受精に特有の問題は見つかっていません。生まれつきの病気(先天異常)はわずかに多いという報告がありますが、ふたごなどの多胎や親の不妊そのものも関わっていて、治療そのものの影響は世界的にもまだ結論が出ていません。大人になってからの健康は、いまも追跡が続いています。
成長や発達に、違いはあるのでしょうか?
日本では、2022 年に生まれた子どもの約 10 人に 1 人が、体外受精などで生まれています。授かった赤ちゃんに影響がないか、気になりますよね。
日本の全国調査では、親の背景を合わせると、3 歳での発達の遅れに差はありませんでした。自閉スペクトラム症との関係も見られていません。日本で 12 歳まで追った研究でも、体格や肥満、高血圧などに、体外受精に特有の問題は見つかっていません。思春期の体の変化にも、ほとんど違いはありませんでした。着床前検査(PGT-A)を受けて生まれた子どもでも、1 歳での体格や発達に差はありませんでした。子どものがんも、全体としては増えていません。
先天異常は、増えるのでしょうか?
生まれつきの主な病気(主な先天異常)は、自然に妊娠した場合でも 100 人に 2 人ほどにみられます。米国の大きな研究では、1 人だけの妊娠で比べると、自然妊娠で 1.9%、体外受精で 2.4% でした。北欧の研究では、心臓の主な先天異常が 1.15% と 1.84% でした。
この差には、ふたごなどの多胎や親の不妊そのものも関わっていると考えられています。治療そのものの影響がどれくらいかは、世界的にもまだ結論が出ていません。ベックウィズ・ヴィーデマン症候群という病気が増えるという報告もありますが、体外受精で生まれた子どもでも 10 万人に 11 人ほどと、まれです。
生まれるときの体重や早産は、どうなのでしょうか?
体外受精では、1 人だけの妊娠でも、早産がやや多いと報告されています。凍結した胚を戻した場合は、小さく生まれることは少ない一方、大きく生まれることが多くなります。日本では、戻す胚を原則 1 つにしたことで多胎が減り、早産や低出生体重も減りました。
まだわかっていないことは、何でしょうか?
大人になってからの健康については、世界でも追跡が続いていて、まだ結論は出ていません。不妊治療をする場合、赤ちゃんのことで気になることがあれば、通院する医療機関でご相談ください。