日本の研究では、体外受精で生まれた子どもの成長や発達に、体外受精に特有の問題は見つかっていません[2][6]。生まれつきの病気(先天異常)はわずかに多いという報告[3]がありますが、ふたごなどの多胎や親の不妊そのものも関わっていて[4]、治療そのものの影響は世界的にもまだ結論が出ていません[3]。大人になってからの健康は、いまも追跡が続いています[14]。
成長や発達に、違いはあるのでしょうか?
日本では、2022 年に生まれた子どもの約 10 人に 1 人[1]が、体外受精などで生まれています。授かった赤ちゃんに影響がないか、気になりますよね。
日本の全国調査では、親の背景を合わせると、3 歳での発達の遅れに差はありませんでした[6]。自閉スペクトラム症との関係も見られていません[7]。日本で 12 歳まで追った研究でも、体格や肥満、高血圧などに、体外受精に特有の問題は見つかっていません[2]。思春期の体の変化にも、ほとんど違いはありませんでした[2]。着床前検査(PGT-A)を受けて生まれた子どもでも、1 歳での体格や発達に差はありませんでした[2]。子どものがんも、全体としては増えていません[13][13]。
先天異常は、増えるのでしょうか?
生まれつきの主な病気(主な先天異常)は、自然に妊娠した場合でも 100 人に 2 人ほど[3]にみられます。米国の大きな研究では、1 人だけの妊娠で比べると、自然妊娠で 1.9%、体外受精で 2.4%[3] でした。北欧の研究では、心臓の主な先天異常が 1.15% と 1.84%[5] でした。
この差には、ふたごなどの多胎や親の不妊そのものも関わっている[4][5]と考えられています。治療そのものの影響がどれくらいかは、世界的にもまだ結論が出ていません[3]。ベックウィズ・ヴィーデマン症候群という病気が増えるという報告もありますが、体外受精で生まれた子どもでも 10 万人に 11 人ほど[12]と、まれです。
生まれるときの体重や早産は、どうなのでしょうか?
体外受精では、1 人だけの妊娠でも、早産がやや多いと報告されています[11]。凍結した胚を戻した場合は、小さく生まれることは少ない一方、大きく生まれることが多くなります[8][9]。日本では、戻す胚を原則 1 つにしたことで多胎が減り、早産や低出生体重も減りました[10]。
まだわかっていないことは、何でしょうか?
大人になってからの健康については、世界でも追跡が続いていて、まだ結論は出ていません[14]。不妊治療をする場合、赤ちゃんのことで気になることがあれば、通院する医療機関でご相談ください。