不妊治療中のサプリメントで、出産の割合が上がるとはっきり確かめられたものは、いまのところありません[10]。妊娠を考える時期から飲むことがすすめられているのは、赤ちゃんの病気を減らすための葉酸です[1]。ほかのサプリメントを飲むときは、量や飲み合わせのことがあるので、主治医に伝えておくと安心です[9]。
出産の割合が上がるサプリメントは、あるのでしょうか?
少しでもできることをしたい、と思いますよね。妊活中の女性の調査では、4 割ほど[4]が「妊娠の確率を上げるため」に健康食品を飲んでいました。
多くの研究をまとめた報告では、コエンザイム Q10 やメラトニン、ビタミン E などの抗酸化物質で出産の割合が上がるかは、確かでないとされています[10]。まとめて調べると出産の割合が上がったように見える結果もありますが、試験の質が低く、確かとはいえません[10]。コエンザイム Q10 やメラトニンでは、妊娠の割合が上がっても、出産の割合には差がありませんでした[11][12]。
葉酸は、飲んだほうがよいのでしょうか?
葉酸は、妊娠の 1 か月以上前から妊娠 12 週ごろまで[2]、食事に加えてサプリメントなどから 1 日 400µg(0.4mg)[1]とることがすすめられています。赤ちゃんの脳や脊髄の病気(神経管閉鎖障害)のリスクを減らすためで、妊娠しやすくするためのものではありません。サプリメントなどからとる量は、1 日 900〜1,000µg を超えないようにします[1]。年齢ごとの上限は、葉酸の記事で説明しています。
メラトニンやレスベラトロールは、どうなのでしょうか?
メラトニンは、成熟した卵子の数や妊娠の割合が上がるという報告もあります[12][13]が、出産の割合が上がることは示されていません[13]。日本では医薬品として扱われ、食品として売ることは認められていません[6]。眠気や頭痛が出ることがあり[6]、一部の薬とは一緒に飲めない[7]ので、ほかに飲んでいる薬も主治医に伝えておくと安心です。
レスベラトロールは、ブドウの皮などに含まれるポリフェノールの一種です[15]。海外の小さな試験では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人などで、成熟した卵子やよい胚の割合が増えたという報告があります[17][18][19]。ただ、妊娠や出産の割合が上がることは示されていません[17][19][20]。日本の研究では、胚移植の周期に飲み続けた人で、妊娠の割合が低く、流産が多いという結果でした[14]。飲んだことが原因とまでは言えません[14]が、研究者たちは、排卵のあとの時期と妊娠中は避けるべき[15]としています。
男性のサプリメントは、効果があるのでしょうか?
日本泌尿器科学会は、抗酸化物質で精液の状態や妊娠の割合がよくなる十分な根拠はない[3]、としています。男性に多めの葉酸と亜鉛を 6 か月飲んでもらった大きな試験でも、出産の割合は変わりませんでした[16]。
飲むときは、何に気をつければよいのでしょうか?
- 錠剤やカプセルは、とりすぎになりやすい[9]
- 妊娠のはじめのころにビタミン A のサプリメントをとりすぎると、赤ちゃんの異常の原因になることがある
- 治療の薬と一緒に飲むときは、自分の判断で始めず、主治医や薬剤師に伝える[9]
- いくつも組み合わせて飲まない
成分の安全性や効果は、国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報で調べられます。