PGT-A は、体外受精で育った胚盤胞から細胞を一部とって、染色体の数に違いがないかを調べる検査です。染色体の数がそろった胚を選んで戻すことで、移植 1 回あたりの流産は減るとされています[2]。ただ、治療を始めた人が最終的に出産できる割合が上がるとは、証明されていません[2]。日本では、日本産科婦人科学会が決めた対象の人が、認定された施設で受けられます[1]。

PGT-A は、どのような検査なのでしょうか?

体外受精で育った胚盤胞のうち、将来胎盤になる部分(栄養外胚葉)から、細胞を 5〜10 個ほどとります[2]。とった細胞の DNA を調べて、染色体の数に違いがないかを判定します。赤ちゃんになる部分からはとりません[2]。

性別を選ぶために使うことはできず、性染色体の結果は原則として伝えられません[1]。

PGT-A でわかることと、わからないこと PGT-A でわかること、わからないこと 赤ちゃんに なる部分 胎盤になる部分から 細胞を 5〜10 個とる 胚盤胞 結果は 4 つのどれか ・正倍数性(数がそろっている) ・モザイク(混ざっている) ・異数性(数や構造に違いがある) ・判定不能 期待できること 移植 1 回あたりの流産が減るとされる むだになる移植が減ることがある わからないこと・限界 最終的に出産できる割合が上がるとは 証明されていない 判定は 100% 正確ではない 移植できる胚が残らないこともある
PGT-A は、胚盤胞の胎盤になる部分から細胞をとって、染色体の数を調べます。移植 1 回あたりの流産は減るとされていますが、最終的に出産できる割合が上がるとは証明されていません。 出どころ: PGT-A に関する細則(2026)、PGT-A・SR 説明資料(2026) 画像として保存

どのような人が受けられるのでしょうか?

日本産科婦人科学会は、次のような夫婦を対象にしています。

  • 体外受精で胚移植をくり返しても、妊娠しなかった(反復着床不全)
  • 流産や死産をくり返した(不育症)[1]
  • 女性の年齢が高い不妊症(35 歳以上がめやす[1])

はじめの 2 つは、夫婦のどちらかに染色体の構造の違いがわかっている場合は、PGT-A ではなく PGT-SR[1] の対象になります[1]。年齢が高いことだけでは、国の先進医療の対象になりません。受けられるのは、学会が認定した施設だけです。認定施設の一覧は、日本産科婦人科学会の[3]PGT-A・SR のページで見られます。

PGT-A を受けると、何が変わるのでしょうか?

日本産科婦人科学会の資料では、PGT-A で数がそろった胚を選んで戻すと、移植 1 回あたりの流産は減ることが多くの研究で確かめられている、としています[2]。むだになる移植が減れば、体や気持ちの負担が軽くなることもあります。

ただ、治療を始めた人が最終的に出産できる割合(累積の出産率)が上がることは、国内でも海外でも証明されていません[2]。

PGT-A で、わからないことや負担はあるのでしょうか?

PGT-A の判定は、100% 正確ということではありません[2]。とった細胞と、赤ちゃんになる部分の染色体が違うことがあり、判定がずれる原因になります。

染色体の数がそろった胚を戻しても、子宮の状態などほかの理由で、着床しなかったり流産したりすることはあります[2]。

モザイクと判定された胚は、着床や出産の割合が下がるとされていますが、健康な赤ちゃんが生まれた報告もあります[2]。移植するかどうかは、医師や遺伝の専門家とよく相談して決めます。

検査の結果、移植できる胚が 1 つも残らないことがあります[2]。年齢が上がるほど染色体の数がそろっていない胚が増えるため[2]、年齢が高い人ほど、その可能性は高くなります。移植できる胚がないとわかったときは、気持ちの負担が大きくなることもあります。

胚盤胞から細胞をとることで、胚に影響が出る可能性は小さいとされていますが、完全にはわかっていません[5]。

受ける前に、何をしておくとよいのでしょうか?

PGT-A を受けるときは、検査の前と、結果が出て移植する胚を決める前に、遺伝カウンセリングを受けます[1]。検査でわかることとわからないこと、結果が出たあとの選択肢について、説明を受けます。

「受けたほうがいいのかな」と迷うのは、とても自然なことです。年齢やこれまでの治療の経過によって、向いているかどうかは変わります。

PGT-A を受けるかどうか、どの胚を移植するかは、夫婦で決めることになっています[1]。移植できる胚が残らないときにどうするかも含めて、前もって二人で話しておくと安心です。