人工授精は、洗って集めた動きのよい精子を、排卵のころに細い管で子宮の中に入れる治療[2]です。精子の数や動きが少なめのとき、性交がうまくいかないとき、原因がわからないときなどに考えます[1]。1 回あたりの妊娠の割合は 5〜10%、排卵を助ける薬を使うと 10〜15%[1][1][1] ほどで、3〜6 回ほどを区切りに[1][1]次の治療を考えます。2022 年 4 月から保険の対象[4][4]です。
人工授精とは、どのような治療なのでしょうか?
人工授精は、排卵のころに、精子を子宮の中まで届ける治療です。精液を洗って動きのよい精子を集め、細い管(カテーテル)で子宮の中に入れます。受精は、ふだんの妊娠と同じように体の中で起こります[2]。
次のような場合に考えます。
- 精子の数が少なめ、または動いている精子が少なめ
- 性交や射精がうまくいかない
- 子宮の入り口の粘液と精子の相性がよくない
- 精子のはたらきをじゃまする抗体(抗精子抗体[1])がある
- 検査をしても原因がわからない(原因不明不妊[1])
両方の卵管がふさがっているとき[2]や、精子がとても少ないときは、体外受精から考えます。
当日は、どのように進むのでしょうか?
超音波で卵胞(卵子を包む袋)の大きさを測り、日を決めます。排卵の前日から当日[1]に行うのが望ましいとされています。
- 精液を採る:自宅で採って持っていくか、医療機関によっては院内の個室で採ります[2]
- 精液を洗う:死んだ精子や細菌、などを取り除きます
- 子宮に入れる:細い管を子宮の中まで入れ、集めた精子を注入します
注入のあとに、下腹部の痛みやわずかな出血が起こることがありますが、多くは自然におさまります[1]。感染は、ごくまれ[1]とされています。熱が出たり、おなかの痛みが強くなったりしたときは、治療を受けている医療機関に連絡してください。
何回くらいで、妊娠するのでしょうか?
1 回あたりの妊娠の割合は 5〜10%、排卵を助ける薬を使うと 10〜15% とされています。4〜6 回ほどで頭打ち[1]になるので、3〜6 回ほどを区切りに次の治療を考えることが多いです。1 回ごとの数字だけを見ると、少なく感じるかもしれませんね。海外の試験では、薬を使った人工授精を 3 回まで行った人の約 3 割が出産[8]しました。
排卵を助ける薬を一緒に使うと、ふたご以上の妊娠(多胎妊娠)や、卵巣が腫れる卵巣過剰刺激症候群が起こりやすくなります[1]。
費用や保険は、どうなっているのでしょうか?
2022 年 4 月から保険の対象で、2026 年度の診療報酬では 1,820 点[5](精液を洗う費用を含む)です。3 割負担なら、1 回 5,500 円ほど[5]になります。診察や薬の費用は別にかかります。体外受精や顕微授精には年齢や回数の決まりがありますが、人工授精にはこうした決まりは設けられていません[6]。
次の治療に進むのは、いつでしょうか?
続けても妊娠しないときは、体外受精を考えます。35 歳以上の人や卵巣の働きが下がっている人では、タイミング法と人工授精を合わせて 6 周期ほど[1]にして、早めに体外受精を考えることがすすめられています。40 歳以上では、体外受精がすすめられています[1]。