妊娠を望んで避妊をせずに 1 年たっても妊娠しない場合を、不妊症といいます。原因には、排卵・卵管・子宮など女性側のものと、精子をつくる働きなど男性側のものがあり、検査をしてもはっきりしないこともあります。女性が 35 歳以上なら、半年で検査を考えるのがめやすです。
不妊症とは、どういう状態なのでしょうか?
日本産科婦人科学会は、妊娠を望む男女が避妊をせずに性交をしていても、1 年たっても妊娠しない場合を「不妊症」[1]としています。
1 年たっても妊娠しない場合は、その後に自然に妊娠する可能性が下がっていく[2]と考えられているので、この期間が一つの区切りになっています。卵管がつまっている、精子がとても少ないなど、治療をしないと妊娠がむずかしい状態があれば、期間にかかわらず不妊症にあたります[2]。
不妊症には、どのような原因があるのでしょうか?
原因は女性側にも男性側にもあり、なかでも「排卵」「卵管」「男性側」の 3 つが多い[2]とされています。
女性側の原因には、おもに次のようなものがあります。
- 排卵の問題:月経が不順だったり、来なかったりするときは、排卵がうまく起きていないことがあります。
- 卵管の問題:卵管がつまったり、まわりと癒着したりすると、卵子と精子が出会いにくくなります。
- 子宮の問題:子宮の内側にせり出す子宮筋腫や子宮内膜ポリープ[2]、子宮の中の癒着などは、受精卵の着床のさまたげになることがあります。
- そのほか:頸管因子(子宮の入り口の問題)や免疫因子[2]、受精障害[2]、加齢も関係しています[2]。
男性側の原因は、大きく 3 つに分けられます。
- 精子をつくる働きの問題:精子の数が少ない、動きが悪いといった状態です。
- 性機能の問題:勃起がうまくいかない、射精がうまくできないといった状態です。
- 精子の通り道の問題:精子はつくられているのに、通り道がふさがっていて[2]、精液の中に出てこない状態です。
検査をしても、はっきりした原因が見つからないこともあります。これを原因不明不妊[2]といいます。原因がないということではなく、今の検査ではわからない、という意味です。
いつ、検査を考えればよいのでしょうか?
めやすは、女性の年齢によって変わります。
- 女性が 35 歳未満なら、1 年[3]たっても妊娠しないとき
- 女性が 35 歳以上なら、半年たっても妊娠しないとき
35 歳以上で期間を短くするのは、年齢とともに妊娠しやすさが下がっていくためです。
次のような場合は、期間を待たずに産婦人科へご相談ください。
- 月経の周期が大きく乱れている、または月経が来ない
- 月経痛が強い[2]、月経の量が多い
- 子宮内膜症や子宮筋腫などを指摘されたことがある
- クラミジアなどの性感染症や、子宮のまわりの炎症(骨盤腹膜炎[2])にかかったことがある
- 性交や射精がうまくいかない
検査では、どんなことを調べるのでしょうか?
女性は、超音波検査で子宮や卵巣[2]のようすを見て、月経周期に合わせた血液検査でホルモンを調べます。子宮卵管造影検査[2]では、子宮の形や、卵管が通っているかを確かめます。
男性は、精液検査を受けます。精液の量や、精子の数・動きを調べる検査です。
不妊に悩むカップルのおよそ半数では、男性側にも原因[2]があるとされています。女性の検査と同じ時期に、男性も精液検査を受けておくと、原因を早く見つけやすくなります。
パートナーと一緒に、何を考えておくとよいのでしょうか?
原因が女性側にあっても男性側にあっても、どちらかのせいということではありません。どちらか一人の問題として抱えず、「二人のこと」として話し合っておくと、その後の選択もしやすくなります。
結果は、二人でこれからを考えるための材料です。わからないことは、そのつど担当の医師に聞きながら、一つずつ確かめていけば十分です。