高プロラクチン血症は、母乳をつくるホルモンのプロラクチン[4]が、妊娠や授乳をしていないのに多くなる状態です[2]。排卵が起こりにくくなり[4]、月経不順や不妊の原因になります[1]。薬の副作用や下垂体の小さな腫瘍などが原因[1]で、多くは飲み薬で値が下がります[3]。

プロラクチンが多いと起こること プロラクチンが多いと起こること 脳 脳の底 下垂体 骨のくぼみ プロラクチンが多く出る 卵巣 排卵が抑えられる 月経が不規則になる、止まる 妊娠しにくくなる 乳房 乳汁が出ることがある 妊娠や授乳をしていないのに出る おもな原因 ・薬の副作用(胃腸の薬、抗精神病薬など) ・下垂体の良性の腫瘍 ・甲状腺の働きが落ちている 治療 ・飲み薬(カベルゴリンなど)で下げる ・薬が原因なら、処方した医師に相談する ・下がると、8 割ほどの人で排卵が戻る
プロラクチンが多いと排卵が抑えられ、月経不順や不妊の原因になります。多くは飲み薬で値が下がります。 出どころ: 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン 2023 年版(2023)、産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2020、CQ322〜323(p.144〜147)(2020)、生殖医療 Q&A 2025(Q9)(2025)、カベルゴリン錠(先発品)添付文書(2023 年 7 月改訂 第 3 版)(2023) 画像として保存

プロラクチンが多いと、何が起こるのでしょうか?

プロラクチンは、脳の下垂体から出るホルモンです[4]。多すぎると排卵が抑えられ[4]、月経が不規則になったり、止まったりします[1]。月経が止まっている人の 2 割ほどが、高プロラクチン血症です[2]。妊娠していないのに、乳汁が出ることもあります[1]。

原因には、どのようなものがあるのでしょうか?

おもな原因は次のとおりです。腫瘍のほかでは、薬によるものがいちばん多い[1]とされます。

  • 胃腸の薬、吐き気止め、抗精神病薬、抗うつ薬などの副作用[1]
  • 下垂体の良性の腫瘍(プロラクチノーマ)[1]
  • 甲状腺の働きが落ちている[1]
  • 見かけだけ高く出ている(マクロプロラクチン血症)[1]

見かけだけ高い場合は、高いと言われた人の 15〜25% にみられ、治療は要りません[1]。薬が原因と思われるときも、自分の判断でやめず、処方した医師に相談してください[2]。

どのような検査をするのでしょうか?

プロラクチンは、睡眠や食事、ストレスでも上がります[2]。月経が終わって 7 日以内の、朝食前の午前中に採血するのが望ましい[2]とされます。一度高かっただけでは決めず、何度か測ります[1]。甲状腺のホルモンも一緒に調べます[2]。何度測っても高いときは、MRI で下垂体を調べることがあります[1]。

治療には、どのような薬を使うのでしょうか?

治療が要ると言われると、薬のことが気になりますよね。治療の中心は、プロラクチンを下げる飲み薬(カベルゴリン、ブロモクリプチン[1])です。カベルゴリンは、週 1 回寝る前に飲む薬です[3]。少ない量から始め、値を見ながら量を調整します[1]。

吐き気や頭痛、めまい[3]が出ることがあります。同じ薬は、産後に母乳を止めるときや、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防にも使われます[3]。月経が規則的で乳汁も気にならないなら、治療せずに様子を見ることもあります[2]。

妊娠を考えるときは、どうするのでしょうか?

薬でプロラクチンが下がると、8 割ほどの人で排卵が戻る[5]とされます。妊娠がわかったら、多くの場合は薬をやめます[1][6]。下垂体の腫瘍がある人は、妊娠中に腫瘍が大きくなることがあります[1]。強い頭痛や、見え方の変化[3]があれば、すぐに受診してください。カベルゴリンは母乳を止める働きがあるので、授乳中はふつう飲みません[3]。