女性の妊娠のしやすさは、30 歳ごろから少しずつ下がり、35 歳を過ぎると下がり方がはっきり[1]してきます。主な理由は、卵子の数が減ることと、染色体異常(染色体の数が合わない)となる卵子が増えることです。男性も年齢の影響を受けますが、女性よりゆるやかです。同じ年齢でも、人による差はとても大きいです。

年齢とともに、妊娠のしやすさはどのくらい変わるのでしょうか?

日本生殖医学会は、女性の妊娠する力は 30 歳から少しずつ下がり、35 歳を過ぎると下がり方がはっきりし、40 歳を過ぎると急に下がる[1]と説明しています。40 歳の妊娠しやすさは、20 代後半から 30 代前半のおよそ半分[4]とされています。

日本の研究では、1 周期あたりに妊娠して出産に至る確率は、24 歳以下でおよそ 18%[3]、35〜39 歳ではおよそ 5%[3] でした。ただ、同じ年齢のなかでも、人による幅がとても大きい[3]こともわかっています。

数字だけを見ると、不安になってしまいますよね。これはたくさんの人の平均で、あなた自身の妊娠しやすさを決めるものとは別のものです。

卵子の数と「質」は、年齢とともにどう変わるのでしょうか?

卵子は、生まれる前につくられ、そのあと新しくつくられることはありません[1]。生まれたときにはおよそ 200 万個[1]あり、37 歳を過ぎると減り方が速くなり[1]ます。

年齢とともに減っていく卵子の数 卵子は新しくつくられず、年齢とともに減っていきます 生まれたとき 思春期 37 歳ごろ 閉経のころ (50 歳前後) 約 200 万個 約 30 万個 約 2.5 万個 約 1,000 個 37 歳を過ぎると、減り方が速くなります 一生で排卵される卵子は 400〜500 個ほど。円の面積は、数に比例させています
卵子は生まれる前につくられ、そのあと新しくつくられることはありません。37 歳を過ぎると、減り方が速くなります。数はめやすで、人によって差があります。 出どころ: 生殖医療 Q&A 2025(Q24 卵子の数と質)(2025)、Committee Statement No. 22: Anticipatory Counseling Regarding Ovarian-Factor Fertility Decline(2025) 画像として保存

卵子の「質」とよくいわれるものの中心は、染色体の数です。年齢が上がると、染色体の数が合わない卵子が多くなります[1]。そうした受精卵の多くは、着床しなかったり、流産になったりします。染色体の数がそろっている胚の割合は、27〜35 歳ではおよそ 55%[5] で、35 歳を過ぎるとその割合は急に下がっていました[5]。卵子の質が下がるのを防ぐ方法は、今のところない[1]とされています。

流産になる割合も、平均するとおよそ 15%[1] で、年齢とともに増えていきます。25〜29 歳でもっとも低く 10%[6]程度、45 歳以上では 50%超 でした。たまたま起きた流産の 70〜80% は、受精卵の染色体の異常[1]によるものとされています。その多くは、受精卵の側で起きていることです。

体外受精なら、年齢の影響は小さくなるのでしょうか?

体外受精でも卵子の染色体の数は変えられないため、年齢の影響は残ります。日本産科婦人科学会の 2023 年の成績では、治療 1 回あたりに出産に至った割合は、30 歳で 23.2%[7]、40 歳では 10.6%[7]、45 歳では 1.7%[7] でした。

男性の年齢は、関係するのでしょうか?

精液の量は平均 35.5 歳ごろから目立って減り、精子の DNA の傷が増える[1]ことも報告されています。それでも、男性の妊娠させる力は 50 歳ごろまでは大きくは変わらない[4]ようで、年齢の影響は女性のほうがずっと大きいです。

妊娠には、二人の年齢がどちらも関わります。女性だけで抱えこまず、二人で考えていけるとよいと思います。

年齢のほかに、知っておきたいことはありますか?

たばこを吸う女性では、閉経が平均で 1〜4 年早まる[4]とされています。女性とパートナーのどちらがたばこを吸っても、妊娠するまでにかかる期間が長くなります。妊娠を考えているなら、二人とも禁煙しておくと安心です。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵子の数のめやすになりますが、年齢と切り離して妊娠する力を予測するものではありません[9]。くわしくは「AMH とは何を測っているのでしょうか?」で説明しています。

次のときは、産婦人科に相談してください。

  • 女性が 35 歳以上で、避妊をせずに性交をして半年たっても妊娠しない[10]
  • 月経の乱れなど気になることがある(期間を待たずに)