HPV ワクチンは、子宮頸がんの原因になる HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染を防ぐワクチンです。初めての性交の前に受けるのがもっとも効果が高く[4]、公費で受けられるのは小学 6 年〜高校 1 年相当の女子[1][1]です。対象の年齢を過ぎても自費で受けられますが[1]、年齢が上がるほど効果は小さくなります[7]。ワクチンを受けても受けなくても、20 歳からは子宮頸がん検診を定期的に[3]受けることが大切です。
HPV ワクチンで、どのくらい防げるのでしょうか?
HPV は性交でうつるありふれたウイルスで、感染しても、およそ 90% は 2 年以内[1]に自然に消えます。消えずに続くと、何年もかけて子宮頸がんになることがあります。子宮頸がんには毎年およそ 1.1 万人がかかり、およそ 3,000 人が亡くなっています[3]。
今、公費で受けられる 9 価ワクチンは、子宮頸がんの原因の 80〜90% を防ぐ[1]とされています。以前の 4 価ワクチンを調べた[5]スウェーデンの研究では、17 歳になる前に接種した人で、子宮頸がんが 9 割ほど少なく[5]なっていました。ただ、すでに感染しているウイルスを消すことはできません[4]。そのため、初めての性交の前に受けるのがもっとも効果的[4]です。
公費で受けられるのは、だれでしょうか?
公費の定期接種は、小学 6 年〜高校 1 年相当の女子が対象で、2026 年 4 月からは 9 価ワクチンだけ[1]です。15 歳になるまでに 1 回目を受けると合計 2 回[1]、15 歳からは合計 3 回です。対象の年齢を過ぎた女性のための無料の接種(キャッチアップ接種)は、2026 年 3 月 31 日で終わりました[1]。くわしくは、厚生労働省のHPV ワクチンに関する Q&Aで確かめられます。
20 代・30 代で受けても、意味はあるのでしょうか?
対象の年齢を過ぎても、全額自己負担[1]で受けられます。ただ、年齢が上がるほど、効果は小さくなります。24〜45 歳で接種した人[7]では、がんになる前の病変ができた人の割合が、受けなかった人とほとんど変わらなかったというまとめもあります。受けるかどうかは、医師と相談して決めるとよいと思います。
9 価ワクチンは、2025 年から 9 歳以上の男性にも使えるようになりました[11](自費)。
副反応や、妊娠への影響はあるのでしょうか?
多いのは打ったところの痛みで、半分以上の人[2]に起こります。腫れや赤み、頭痛も、10 人に 1〜5 人ほど[2]にみられます。気を失うことがあるので、接種のあと 30 分ほどは座って待ちます[1]。頻度はわかっていませんが、重いアレルギー反応や、手足に力が入りにくくなるギラン・バレー症候群などが起こることがある[2]とされています。接種のあとのさまざまな症状について、厚生労働省は、ワクチンとの因果関係は証明されていない[1]としています。
気になる症状があるときは、まず接種した医師やかかりつけの医師に相談してください。健康被害には予防接種健康被害救済制度[1]があり、窓口は住んでいる市区町村です。
HPV ワクチンで将来妊娠しにくくなるという結果は、これまでの研究では出ていません[8]。妊娠中は、接種によい点が危険を上回ると判断されるときにだけ接種[10]することになっています。
ワクチンを受けたら、検診は受けなくてよいのでしょうか?
ワクチンを受けても、検診は必要です。ワクチンは、がんの原因になるすべての型の HPV を防げるわけではない[1]からです。20 歳になったら、子宮の入り口の細胞を調べる検査(細胞診)を 2 年に 1 回[12]受けます。30 歳以上では、HPV の検査を 5 年に 1 回[12]行う方法を選べる市区町村もあります。